壁に向かって話し続ける

オタク女の備忘録

羅小黒戦記 感想

 

 

こんにちは。お久しぶりです。

本当は遊就館の刀剣展の感想を途中まで書いてたんだけど、写真がアレっぽくて一旦お蔵入りにさせました。今度行った時に直接確かめてきます。

 

そして、や〜っと羅小黒戦記みれた!!!

中国での公開前から絶対行く!て目つけてたのにいざ日本公開始まっても卒論があってすぐには行けず、、、TLでシャオヘイのかわいいイラストを見ては涙をのむ日々でした。

では以下ネタバレありの感想いきます。

 

 

 

 

 

 

・シャオヘイかわい〜〜!!!花澤香菜さんは天才。シャオヘイのキュートさのおかげで一切ストレスを感じることなく観られた。とにかくかわいい。ぬいぐるみがほしい。

 

・最初から最後までオタクの好きなもの詰め合わせ

黒猫←すき

優しいCV櫻井孝宏←すき

超能力バトル←すき

「執行人」←厨二心がうずく

昨日の味方は明日の敵展開←悲しい……けどすき

大破壊←見ててスッキリする

廃墟に木が生い茂る情景←pixivでいっぱい見る

天空の海に浮かぶオリエンタルな建築の「館」←こういうのもpixivで見る

 

・中国で制作された作品なのに「お金って最高だね」とかシャオヘイに言わせててジワジワきた。いいのか?

追記・yahooでも共産圏であることと表現について書かれている羅小黒戦記の記事があったので共有します。

『羅小黒戦記』の“したたかな表現手法” 中国アニメが大規模公開される日も近い?(リアルサウンド) - Yahoo!ニュース

 

・拾い主が急進派の極左だったシャオヘイ、かわいそう……。現実でもそうだけど子どもは初めて見る人に縋るしかないからな。フーシーにも正義はあるのに、彼らがマイノリティであるってだけでその正当性が失われてしまうのが悲しかった。

 

・こういう自然と人間を二項対立にして人間の工業化や開発に警鐘を鳴らす的な作品は今までたくさん作られてきてるけど、大体が共存しましょうね〜で終わるのがモヤるんだよな。普通に人間が自粛しろよ。キャラが優勝劣敗思想もってるならまあ分かるんだけど、そうでもなさげやし。なので割と極左のフーシーは好きなのでした。

 

・ただ、シャオヘイを利用したのは最悪。あんなかわいい生き物を……  人様のこと騙して自分の主義が叶えられるわけないやろ!身の丈に合った活動をしろ!人間は殺してええけどもシャオヘイに手を出すな。

 

・ムゲン様、ナンパされてたのウケた。彼は忘れがちだけどあくまで人間だから、執行人メンツの中では割と中立に近い立場なんやろうね。そして彼についていくことを選んだシャオヘイも、妖精としての立場100%ではない曖昧さを選択した。

 

・まああそこはムゲンとシャオヘイ2人の関係性が見せたかったんだろうね。マクロ視点で立場ごとの関係を描くよりもミクロを描く方が、関係性が個人的な分現実に重ね合わせられる危険がなくてシンプルに感動できる。

 

・最初にヒールであるフーシーが味方として登場することで観客も彼は味方だろうと錯覚するし、構成と切り取り方がうまいよね。

 

・てかムゲン(とシャオヘイ)の金属を操る能力自体が人間寄りの能力だよね。人間が加工したものを利用することが前提なわけだから。まさか鉱石ぶつけることもないだろうし。能力が立場と呼応してるのか。

 

・関係ないけどキャスティング協力にネルケの名前があってびっくりした。逃げられない。

 

 

 

 

こんなところでしょうか。

とにかくシャオヘイがかわい➰いので、猫好きでまだ観てない方は観ることをオススメします。しみじみとあのキャラデザが天才すぎる。

 

近いうちに幕末の感想まとめも書きます!では!

 

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刀ミュ 静かの海のパライソ 感想

 

こんにちは。お久しぶりです。

なんかコロナで演劇もライブも中止中止ですね……パライソも兵庫公演全て中止になってしまって、仕方ないとはいえショックです。

運良くパライソを観劇できたオタクとして、久しぶりに刀ミュの感想を書きたいと思います。まあ愚者なので銀劇三階席なのにオペラグラスを忘れて軽く絶望したのですが。さすがにアホすぎ。

というわけで以下ネタバレありです!多分例のごとく長くなるのでテキトーに斜め読みしてください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  • テーマに関して

ざっくり一言で感想を申し上げると、「心折れた。」既存の公演もなかなかエグかったとは思うけど、今回のパライソはかなりメッセージ性が強く、これは現実でも起こっていることだと観客が思い当たるように作られているのが明白だった。そういうのも含め、刀ミュっぽくないな〜とこれまでで一番感じた。

 

 

 

この公演を観てるのがほぼ全員「オタク」であるという前提に立った感想ですが。

刀剣乱舞のシーン、光の中で舞う彼らを見て例のごとく感慨深くなり、「私はこの"光"を観にきてるんだよ……」と思ってたら、そのすぐ後に鶴丸か誰かがキリシタンたちのことを「彼らは光を求めているんだ」って言ってて、テレパシー?となった。「何かに縋らないと生きていけない」という一点で私は彼らであり、光を求めて撫で斬りにされたのはifの我々だといえる。

いや冷静に考えて、「オタク活動は今後違法になります!」って言われたらそりゃ反乱起こすわ。

 

 

 

  • 「2.5」からの脱却/二項対立の否定

本作は天草・島原の乱を取り扱っているが、あくまでも「2.5次元ミュージカル」である。典型的な2.5のようにキャラクターの深掘りを目的にするんだったら、ただの背景である天草島原の乱キリシタン軍VS幕府軍という対立構造にしてしまうのが分かりやすく、キャラクターを描く上で「ノイズ」にならないのは素人の私にもわかる。

が、刀ミュはこれまでも「2.5次元」からの脱却を図っており、「歴史もの原作の2.5」というよりも「キャラクターの出てくる歴史もの(一般演劇)」と呼ぶ方が近いような作品がいくつもある。この流れを本作パライソも受け継ぎ、これキャラクター目当ての観客は期待外れなのでは……?と心配するほど、「史実に材を得たストーリー」の方を重視した脚本になっていた。

そして、前述の対立構造を避けるためにわざわざ一曲使って「境界線をどのように引く」とか、「白でも黒でもない立場、青や赤もいるだろう」とか鶴丸に言わせていて、ポスト構造主義的〜!になった。物事を単純化するのは良くない。それはそう。

 

 

 

  • 歴史の確実でない部分の描き方

家臣ズの「父上から大坂の陣の時の話を聞いているので初陣ではない」ってのハッとした。キャラクターに生きた人間としてちゃんと血が通っている……。江戸初期にも武士はいたし彼らは戦の経験が薄かったんだってこと、あまり実感としてはなくない?文章を読むだけでは実感がわかないようなところをちゃんと掬ってくれる。

終盤の鶴丸の「三万七千!数字じゃない、一人ひとり生きていたんだ!」もそうだよな。戦は人間をただの頭数にしてしまう……

 

 

 

山田さんかわいそうすぎない?私は本作を観て初めて山田右衛門作という人物を知ったんですけど(鶴丸が「山田右衛門作」って言うたびに「エモ作……?」になっていた。エモーショナル・作。)史実ではどうしてこんなことに……

ja.wikipedia.org

まあ味方を売って幕府側に寝返り自分だけ助かったらしいんですけど。それを考えると、寝返らなくてよかった本作での歴史は、本人にとっては割とよかったのかもしれん。信仰を捨てることより仲間を捨てることの方が精神衛生によくないと思うので(私見)。

それで、本物の(殺された)天草四郎と、偽の天草四郎鶴丸)と、地獄の三角関係になってて最悪……と思った。この場合の最悪は最高という意味も含むのですが。良い関係性ですね。ニコニコ。

仲間(本物の四郎)と信仰/布教(鶴丸の四郎)のどちらを取るか。彼は信仰を取ったんですね……一応最後まで棄教してはいないしな。

 

それで、「山田さんをはじめとするキリシタンたちはなぜ暴力を手段として選んでしまったのか?」という命題について。山田は鶴丸に「君が選んだんだから君が決着をつけろ」などと苦しむことを強いられるが、そこまで彼は悪い行いをしたのか?

①前提

生活が苦しい+お上に請願等ができない

②その結果

何かにすがって現実逃避をする(キリスト教への帰依)/暴力をエンタメ化して娯楽とする

→団結すれば藩を転覆させられる可能性に気づく

→集団心理としての暴力が発生、エンタメ化とのループ

 

寺社の焼き討ちや一揆に参加しない者への攻撃

一神教はクソ(私見)だし、やっぱ暴力をエンタメとしてる人も多かったのでは。でも仮に我々が推しを取り上げられたとしてもあんな感じにキレない?他のオタクが一揆に参加してなかったとしたら「お前はこれだけ抑圧されてて平気なのか!?バカなの!?」ってなる。私は。鶴丸に非難されてしまうな。ともかく、抑圧された上の暴力であることは情状酌量の余地があると思いますが……

結論・鶴丸やっぱ厳しすぎ。

 

松倉重政(乱の原因となった苛政をした暗君)も初めて知ったのでちょっと調べたら、ど鬼畜エピソードの宝庫でドン引きした。

ja.wikipedia.org

このwiki読んでる間だけで20回くらいため息ついたもんな。マジで酷すぎるので知らない人は読んでほしい。鶴丸、このことを知った上でキリシタンの暴力を非難してたのか?だとしたらヤバいが……情操教育に失敗しとるよ審神者

 

 

 

  • 演出など

幕府軍に押されてる戦場で、鶴丸(四郎)を見つけたキリシタンたちが手を合わせてその後ろから斬り殺されていくのほんとさ、ゴヤの絵かと思った。観てない人に説明すると、観客の方向いて一列に並んで手合わせてて、順番に殺されていくんですよ。鶴丸視点なのかよと。あれを見ても何も感じない鶴丸やっぱ心療内科行ったほうがいいんだよな。上から降ってきたのも花吹雪かとおもったら血飛沫だし……

あの弟、生き残っててよかった!になってたら、物部になるんですねアレ……多分だけど……ドン引きでしょ。孤児を拐ってきて……物部に……?これを許容してる時の政府の倫理観。ミュくんどんどんヘビーになってくな……

ていうか村正派も旅立ったんやね。サラッと言われてびっくりした。自己肯定感の高まった村正が……見たい!

 

 

 

  • 楽曲

今回はかなり曲が多かった。

まず冒頭から、2〜3曲続けて人間たちの歌(インフェルノ〜のやつ)でセリフが全然出て来ず、劇団四季観に来たんかな?と思っちゃった。そんな感じだったので全曲はちゃんと覚えてないんですけどざっくり。

・耽美系の曲がたしか3曲あった。松井の登場シーンのソロ曲、ゴシックな感じでニコニコした。3拍子のキリシタンの曲もよかった。

豊前の登場ソロ曲もすごかった。時間遡行軍をバイクにしてた。アレ何?

 ・ラップが数曲あってちょっとビビった。 最初の方の鶴丸メインの曲とか大倶利伽羅のトレーニングソングとか。

my name is 四郎♪ 天草四郎♪ 民衆が作り上げた救世主♪

↑これもラップだよね?

 ・あと刀剣乱舞の歌詞割り!

始まるぜ驚愕の真剣勝負

最後の一雫この血尽きるまで(   ) 

戦道一人行く漆黒の龍

風を切り走るぜ目にも留まらぬ音速の剣

荒波を越えていこう

(     )正宗の力

 

白( )を赤く染め抜いて戦場に降り立つ

俺は戦い抜く 刀として生き死ぬまでだ

 カッコ内曖昧で……。中サビ(?)の鶴丸、葵咲本紀の時は「白木綿(しらゆう)を〜」だと思ってたけど「白絹」かもしれん。

 

 

  • キャラとか

鶴丸

自分にも他人にも厳しいタイプじゃん。こんな上司は嫌だ2020大賞受賞です。(ちなみに2019はみほとせ石切丸)

知恵伊豆と勝手に理解し会えた気になってんじゃないよ。あのシーン、知恵伊豆ずっと「え?え?誰?え?」って感じじゃなかった?ディスコミュニケーション

「我々にできるのはこの戦がなんのためのものか考えることだけ」は鶴のセリフだったっけ?知恵伊豆のセリフだったっけ?言葉より行動だろ!!!!!本質主義鶴丸実存主義の長曽祢さんじゃん。 まあメタ的に見ればやっぱ観客に考えさせるためのセリフなんでしょうけど……

あとめっちゃ三日月との関係匂わせてくるやん……になった。静かの海の曲、(静かの海=月のクレーターのことを)「風が吹かないつまらない場所」とか「連れて行ってくれよ」とか言ってたよな、、、あそこの背景は満月だったっけ?「風の吹かない」「つまらない」ってことは光の当たっていない(=確実でない)歴史のことなんだろうけど。

風の暗喩も気になるよな。三日月が時間の流れない(遡行することで一元的な時の流れの支配から解放されている)位置にいるってこと?

ただ、大倶利伽羅とのデュエットはマジでよかったな。2人とも歌がうまいのでハモりもめっちゃ綺麗で最高だった。いい歌唱を見ると時間止まれ〜!と思いますよね……

 

・松井

感情吐露しないのが気になった。豊前も松井のサポートばかりで自分の感情をあまり見せてなかったし…… あの最後のとってつけたようなハッピー?エンドは何!?ちょっと恐怖感じたが。梅干がなかったらあれどうなってたのよ。

今回はキャラクターの成長譚というこれまでの基本を踏襲してない感じで、あまり予定調和感がなかったのが不安を感じた原因なのかもしれん。私は予定されたハッピーエンドを安心して観たいタイプなんですね多分。

でも鶴の「目を閉じるな!!」で兄弟が殺されるところを目撃しちゃう松井、おそらく初陣なのにPTSDにならないか心配。審神者はカウンセラーの資格を取った方がいい。避けようがあったダメージを避けさせないのは暴力じゃないですか!?鶴丸さん!!一言お願いします!!

泣き方も痛々しくてこっちが泣きそうだった、、、ビンタだけで収めたの逆にえらすぎ。鶴丸は気持ちの整理の仕方(海に叫ぶとか)、割り切り方を知ってるだろうけど、松井はまだ新人なんだぞ!辞職したいって言い出したらどうすんだ!!私が審神者だったら鶴丸のことマジで怒ってる。ミュの審神者とちょっと思想の乖離を感じますね……

でも「気まずくてあれ以来喋ってない」でワロタ。それはそう。

美少女フェイスから繰り出されるハスキーなバリトンよかったですね。

 

豊前

思ってたよりストーリーのメインには入ってこなかった印象。「松井が過去を乗り越えるために必要だから」って鶴にお礼してたのちょっとそれでいいのか?!になった。てか顕現されたばかりでも身内意識ってあるんかな?一緒に過ごしていくうちに芽生えるもんだと思ってた。

爽やか好青年すぎんだよな〜!なのに2部では……。次回、オタク死す!デュエルスタンバイ!

 

・浦島

うらたそ(夢弟であり夢兄)〜〜!!!兄になりたいし弟にもなりたい。あの兄弟への接し方、何!?好きだ……

な〜んかほんとに純で、この地獄のようなストーリーの中で唯一の癒しというか……最初は人間と接触することで辛い思いをしてしまうのでは!?(大当たり)とヤキモキしていたけど、結構タフでよかったです。すこやか。

虎徹だから箱入りであまり物事を知らないことで、観劇している我々の導入を担っててあ〜となった。適材適所。

適材適所なのはキャスティングもだよ!糸川くんめちゃくちゃ浦島顔なので(?)キャスト発表されたときにわかる〜〜!!つったもん。

 

・日向

あのね〜、常識人枠。鶴丸によって教祖(天草四郎)に仕立て上げられてたのちょっと納得。教祖フェイスだもんな(?)

なんで日向は釣りがへたなんだろね?ただ浦島の釣りのうまさを際立たせるためってこと?

まさかの冒頭で漬けた梅干しができあがることで時間を表現するという。予想してなかった伏線でちょっとワロタ。うめ!かめ!うめ!かめ!は今回一番かわいいラップです。

 

・大倶利伽羅

今回の大倶利伽羅かなりよかった。彼にこんな大切に思う感情湧いたの初めてやわ。彼って慈しむ対象のキャラ(例・うらたそ)というよりは仲間になりたいキャラなんだよな。

鶴丸と大倶利伽羅の最悪な共犯関係、何。「浦島には見せたくないだろう?」って鶴言ってたよね!?いい関係性ですね……(共犯関係に弱いオタク)

あと謎の大倶利伽羅レーニングヒップホップ、何!?唐突すぎて混乱した。ラップしとるし。

そんでオチよ。大倶利伽羅さん舌壊人(ぜっかいびと)なんですか〜!?になった。あの性格で舌壊人はゲラやろ。ズルい。

 

 

 

 

  • 2部

一番初めに家臣ズが、コーレス禁止、拍手でレスポンスしてね〜ってのを説明してくれたんだけど、片方が加州のモノマネしてて(たしか「主、俺のこと、ちゃんと可愛がってよね」)それがめちゃくちゃあの加州に似ててツボだった。

 

前奏、一部でも使っていた障子を使った演出。個人的には遊郭の戸(張見世)みたいだなと思った。

 

M1 全員の曲

今の僕になるため この声が枯れ果てても

 

M2 松井ソロ

no gravity 

一部冒頭の、人々の上を渡っていく天草四郎と似た演出(椅子の上を渡っていく)があったのと、繰り返される"no gravity"からストーリーとのリンクはほぼ確実。

 

M3 豊前と大倶利伽羅のデュエット

like a yellow sac spider

めっちゃかっこよかった!!セクシ〜!Bメロが交互にラップで、腰クイってする振り付けあったりした。脳がデロデロになる。

 

M4 浦島と日向のデュエット

可愛くてポップでボカロっぽさ。間奏でまさかのダブルダッチがあり、ジャ○ーズみも感じた。

 

M5 鶴丸ソロ

in my groove

サビ、一番でユートピア、二番でディストピアって歌詞があったのでこれもストーリーとのリンク確実。三階のため画面の歌詞がほぼ見えず。

今回は正統派アイドルな感じの衣装だったんだけど、鶴丸は白いからマジでジャ○ーズっぽかった。

 

M6 (おそらく本来は)客降り  タカラモノ

ドッヒャ〜〜!!!!タカラモノて!!!!

永遠を信じたい。こちらからは以上です。

 

M7 新曲

いつものテイストを踏襲した脱ぎ曲。なんすか、あの、豊前の第三形態は……。ヒッて言っちゃった。悪い貴族の遊びじゃん。

観てない方に説明すると、トップスが超ショートタンクトップで(もはやビキニ的)バキバキの白い腹筋が全て見えているスタイルでした。村正の第三形態より丈短かった。

 

M8 人間キャスト 戦うモノの鎮魂歌

ドッヒャ〜〜!!!!レクイエムて!!!!

歌詞が本作にかなりリンクしててすごかった。なんなら阿津賀志よりもリンクしとる。

 

M9 刀剣乱舞

 

 

いや〜正直タカラモノと鎮魂歌で記憶が全て吹っ飛んだ感はある。私はタカラモノにかなり思い入れがあるので(精神不安定だったあつぱり期間にずっと聴いていた)、私信!?!?になった。とうみゅくんとツーカー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

記憶違いなど多々あると思うので今後気づいた際はサイレント修正します。今後上演再開できることを祈って……

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『第三夫人と髪飾り』『あなたの名前を呼べたなら』感想

こんにちは。いろいろバタバタしてて観てから時間が経ってしまったのですが、先々週観た『第三夫人と髪飾り』『あなたの名前を呼べたなら』の感想を……。二本立てで、『第三夫人〜』の方目当てだったけど、二本とも良かった!

以下感想です。

 

 

 

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第三夫人と髪飾り


・あの終わり方はなんなんだ……メイ、子供殺しちゃったんか?妹の断髪はどういう意味?

フェミニズム的な映画だとは思うけどあまりそれだけに限定したくないと思った。語ること、表象することで意味の範囲がかなり狭まってしまう映画な気がする。

・とにかく映像が美しくていわゆる「エキゾチック」な感じに仕上がっていて、物語の中でセリフは最小限、静謐な暮らしの様子が描かれている。でも静謐といっても優しく柔らかなだけの静謐ではない。人間として生きることはそれだけではないので。

・女たちの側に寄り添った映画なので、男である家の主人はほぼ閨のシーンしか出てこない。衝撃的。

・第二夫人の娘の初潮、その子が嫁に行く/義息子に嫁が来る、メイの初夜と妊娠、という生物的な女の一生が作中で進行していく。

・関係を持っていた第二婦人のことを忘れられない第一婦人の息子が嫁を拒み、それで嫁が首を吊ってしまうという悲劇。息子か「話したこともない女と結婚できるか!」って泣いていたシーン、家父長制は男性側にとってもアレよな……と実感してキツかった。村の小作人?が不義をして咎を受けるシーンが挿入されていたのもよかった。女は寺に入れられて男は鞭で打たれる。う〜ん……

・お祭りで第二夫人の娘が「生まれ変わったら男になる。仏さまに祈ったから叶う」と言ってたのも、幼い子供でもそう思うのか……となんとも言えない気持ちになった。

・首を吊って死ぬ嫁と、死にかけながら生まれてくる子供の対比。気を失ったメイの見た夢?に出てくる川と洞窟。命は洞窟から来て洞窟に帰るというのはそういう信仰なのかな?

・家父長制地獄のかたわらにひっそりと存在するシスターフッド。産褥で気を失う主人公を、複数回流産してる第一婦人が無事助けるシーンが象徴的。男児を産むことでしか認められない、弱い立場の女性たちが支え合い連帯して生きていく姿、いいな〜となった。

・全体として、幻想と美しい情景につつまれた最悪のムラ社会という感じ。

『第三夫人と髪飾り』が舞台となったベトナムで上映中止に。それでも監督は「絶望していない」 | ハフポスト

この記事読んで地獄みが増してしまった。ただ監督の聡明さが希望か。

 

 

 

 

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あなたの名前を呼べたなら


・ハッピーエンドだと思って映画見てたのでここで終わるの!?になった。そんでタイトルをちゃんと確認してやっと得心がいった。「雇い主とメイド」ではなく「個人と個人」として付き合うことができるようになったので……って形でハッピーエンドが示唆されてるのか。

・ラトナ、気を遣える(=メイドとして仕事ができる)し、ちょっと陰があるし、向上心と自立心が旺盛だしいい主人公だった。かなり感情移入できたしイライラせず見れた。第三夫人〜の主人公は観客に対する説明役・案内役という側面が強かったようにも思うし……

あといい具合にパーソナリティを雇い主に開示してて勉強になった。作中「優しい」とも評されてたけど共感能力があるんだよな多分。

・そんでアシュヴィンも最初からいい人っぽさが出てたし、、ラトナの立場に思い至らないのは育ち故の無知なのか、それとも男性である自分が持っている暴力性に気付いていないのか。

・ラトナの「あなたの情婦はごめんです」、分かる〜ッ!になった。相手のことは好きだけどここで付き合ってしまったら自分の立場が不利になってしまう、っていう彼女の焦りがマジでよくわかってア〜〜……になってた。

・女だし未亡人だし(ラトナの出身の村では未亡人になってしまうと「人生終わり」ということが語られている)、メイドだし田舎者で資産はないし、というn重苦のラトナと、アメリカ帰りの金持ちの息子であるアシュヴィンがくっついたら絶対バッドエンドだったと思うのでこの終わり方はよく考えられてるなとしみじみ。こういうシンデレラストーリーってどうしても女側は 若さ・美しさ/心根の優しさ、しか男側に差し出せるものがないパターンが一般的なので、アシュヴィンも「若い」「イケメン」であり、加えて「優しい」というのが平等でよかった。そして恋よりもキャリアを優先するヒロインというのも新しい時代のシンデレラストーリーの形だなと。

・バイクに乗って布の買い出しに行くシーン、いきなりインド映画らしいゴキゲンなミュージックが流れてきてちょっと面白かった。希望だけでなくリアリティもあるいい映画でした。

 

 

 

 

 

 

二作品とも第三世界出身の女性監督の映画で、自分の出身国の問題と女性の置かれている困難さが主題という点では似ていた。でもアプローチはそれぞれ異なっていて映画として面白かったし、どちらも映像が綺麗でエモ〜になった。インド行ってみたいねえ。アシュヴィンの高級マンションが、いかにもインド的な雑多でこみごみした街にあったのが面白かった。高級住宅街とかないんかな?

 

また何か面白い映画あったら書きたいけど、それよりパライソが先ですね……。葵咲本紀、歌合と感想を書いていないのは、書きたいことと配慮したいことが多すぎて結局身動きが取れなくなっただけなので、飽きたとかでは全然ないです。パライソではなるべく「書いて出し」を実行したい……。

では。

 

映画『パラサイト 半地下の家族』感想

 

こんにちは。最近サボってたので本日はアウトプットをしていきたいと思います。

さて、今回はタイトルにもあるように映画『パラサイト』について書こうと思います。私などが言及するまでもなく世界中で大絶賛されている、アレです。

もともと一昨年あたりにポスターが発表された時から気になっていて、昨年韓国で公開された途端に高評価が怒涛の如く流れてきたので、個人的絶対観たいリストに入れていました。それをやっと観てきたんですけど……

メ〜ッチャ良かった!!!

 

ここからは完全に個人の見解なんですけど、私は活字テクストに慣れていてそちらがホームだと思っているので、映画は好きではあったけど小説には劣るメディアという認識をしていた。

映画って時間がある程度決まってるから小説と比べると登場人物に感情移入できないし、叙述トリックも使えないし、派手なアクションとかにも別に惹かれないので、絵画的な画面や美しい映像など、視覚情報を入れられることがアドバンテージだという感じ。

が、本作を観てから、その認識は間違っていたのかもしれない……と思っている。

以下ネタバレありの感想です。公開日とっくに過ぎてるので大丈夫だとは思うけど、もしまだ観ていないのにこのページを開いている人がいたらブラウザバックを。監督もネタバレ厳禁と言ってたので。

 

 

 

 

 

 

 

 

よかったポイントその①

キャラクターのバックグラウンドの作りこみが過不足なく緻密。

 

例えば、冒頭の主人公兄妹が「上のおばさんwifiにパスワード設定しちゃった〜」って家の中で電波が入る場所を探すシーンだけで、この家がどんな環境に置かれているのかふわっとわかる。スマホはあるのにsimもwifiもないって人、私は見たことがないので、その時点で異質のものに対する軽い恐怖を感じた。

そのシーンの流れで、トイレの付近なら近くのカフェの電波が入る!となってトイレが映るんだけど、部屋の中に階段があってその一番上にトイレが鎮座しているという異様なレイアウトで。半地下の家だから水圧の関係で高いところにあるらしいけど、座ったら天井に頭つきそうな感じで、それもかなりインパクト強かった。

 

あとは主人公一家の父親と、例の男が経営に失敗した「台湾カステラ」。

韓国映画「パラサイト 半地下の家族」(『寄生虫』)をより楽しむための韓国文化キーワード7つ(ネタバレなし) | エンタメ総合 | 韓国文化と生活|韓国旅行「コネスト」www.konest.com

この予備知識集を見てから鑑賞したので知ってたけど、これを知ってるのと知ってないのとではかなり印象が変わったのでは。

つまり、お父さんもあの男も、1997年の通貨危機で職を失ったあと、2016年の台湾カステラのブームでお店を開いて、メディアの誤認報道でそのお店も畳んで、っていう同じ流れを経てきている、ほぼ同じ立場の人ってこと。

 

その他、北との核戦争に備えたシェルターとか害虫駆除の消毒とか(ソウルが舞台らしいけど、東京のいわゆる治安が良くないとされている地域でもあんな路上消毒なんて今しないよね?)も日本とあまりにも違くて、韓国の環境とか風俗って知っているようで全然知らなかったんだと思った。文化を観る映画としてもかなり興味深く観られた。

 

 

良かったポイントその②

含意的な画面構成と、徹底した上下の対比。

 

半地下の部屋に住む主人公一家・地上の家に住む雇い主一家・完全に地下のシェルターに住む元家政婦夫妻という、物理的な高低差によって社会的地位の高低を描いていることは誰にでも理解できるようになっていた。が、それだけじゃなくて、同じ場所に三家族がいた大雨の夜のシーンなんかはかなり示唆的だった。

雇い主一家はベッドの上やソファの上にいる一方で、主人公家族はローテーブルの下やベッドの下にかくれ、主人公家族にそのポストを奪われた元家政婦夫妻は地下に押し込められる。

この辺りのシーンはすごく示唆的だった。社会で堂々と過ごせる上流階級とコソコソと隠れる下層中流、そもそも人に見られもしない最下層。

シェルターの夫婦の部屋では避妊具が映され、ソファの上では雇い主夫婦が乳繰り合いを始める。けど、こうやって夫婦が性接触できるのは2人が同じ階層にいることが前提であって、階層の違う主人公一家の長男と雇い主の娘は同じベッドの上下に分断されて接触し得ないのだ。

雇い主邸から脱出した3人が長い坂を下って、長い階段を降りて降りて、自分たちの家の近所まで来たと思ったら浸水しているのを見た時に「あ〜これはこういう映画なんだ」と悟ったというか。不幸の象徴のように下に下にと流れていく水の表象がすごくイヤだった。

 

そして、その後の場面からは家族単位の対比ではなく、社会における階層ごとに対比がされている。

浸水した下の街に住んでいる人たちが体育館で一夜を過ごすこと/息子が庭にテントを張って一晩過ごすこと

避難物資の衣服を揉めながら分け合う人々/ウォークインクローゼットから服を選ぶ奥さん

炊き出し?に長蛇の列をなす被災者/優雅にホームパーティーで料理を楽しむハイソサエティの訪問者たち

災害という人々が平等に被るはずのものでさえ、社会的な地位によって回避できるということがかなり悲しかった。災害大国に住んでる人間としてはここが一番ショッキングだったかもしれない。

 

 

良かったポイントその③

いくつかの表象で観客に解釈の余地を残していること。

 

例えば「山水景石」。大学生でステータスのある友人から長男くんに渡ってきたもので、お母さん的には「食べものがよかった」もので、長男くんには重いもので、浸水した家から唯一持ち出して「こいつが僕から離れない」と言ったもの。地下シェルターの夫婦をこれで殴り殺そうと思ったら逆に殴られて後遺症が残ってしまったもの。

これって、「上の階層に上がれるチャンス」のメタファーとして現れたものが、「自分たちの生活のために前任の家政婦の生活を奪った」ことが可視化されてから「犯した罪の責任」に変化してしまったんじゃないかと私は思った。

チャンスはあくまでチャンスでしかないので確実に食べていけるわけではない=「食べものがよかった」のも分かるし、上の階層に行くにはそれまでの下層民としての自己を捨てることも必要だから「重い」=負担になるのも分かる。あの夜の事件のあと、浸水した家から唯一持ち出して「離れない」と言ったのも、「責任を取る」とこれを持ってシェルターに潜ったのも、チャンスから罪に変容してしまったからであると考えると合点がいく。石を落としてしまったのは、罪が彼一人には持ち切れないくらい重大なものだったからではないかと思う。仕事を奪うことは食い扶持を奪うことで、夫婦2人の命を奪うことにつながるからだ。彼は自分が殴られることで「石を受け取った」ことの責任を果たした。

石で長男が殴られて昏倒したことと、庭で例の男によって行われた殺傷は根本が異なるものであると解釈した。庭での殺傷は主人公一家が悪いというよりはあの男の罪であり、でもあの男は地下生活で頭が少しおかしくなっていた上に失うものが既に何もなかったため、自分が死ぬという罰と認識しなくていいような罰だけで終わる。でも、お父さんの殺人はそうではない。彼には家族や家といった失うものがまだあったし、どこにも起因しない独立した彼の罪だからだ。もちろん雇い主の社長が刺されたのも、彼の他者への共感能力の欠如が積み重なって起きた結果であるといえると思う。

 

「匂い」の表象に関しても、映画というメディアでよくこれを設定したな〜と思う。「匂い」はつまり、その階層にいる人特有の言葉遣いや仕草といった、文化の差異すべてを集約した概念なんだと思う。半地下のカビ臭さを連想させるような「匂い」を表象として設定したのはシンプルにすごい。

 

良かったポイントその④

キャラ造形がリアルで丁寧。

例えば、長男くんは友達の恋人のはずだった女子高生の家庭教師を頼まれたのに、友達に牽制されたことを忘れたかのように秒でイチャイチャしはじめる。

これ、見た感じだと女子高生から誘っていたので、彼女は前の家庭教師にも同じことをしたんだろうな〜と想像がつく。パーティーの時の部屋でのやりとりからも、この子、誰かの意識を自分に向けておかないと不安になるタイプっぽい……ということが分かる。

これは単にこの子がそういう性格なだけかもしれないけど、弟にばかり関心のある両親に反発している様子が度々見られることから、家庭に不満があって恋愛に依存している可能性も十分にある。

 

こんな感じで、ストーリーの本筋には全く関係ない人物造形も、その人の人生がある程度感じ取れるような一貫性がある。

この映画には三種類の社会階層にいる人が出てくるわけだけど、どの立場の人にも観客が感情移入できるように・他者化しないようにされている。そうしないとこの映画の伝えたいことが無効化されてしまう可能性があるからだ。

作品自体を貫く思想の下支えとしてもこの点はきちんと作られたんだろうし、それを感じ取れるような人物造形だったと思う。

 

 

 

 

ざっと思い出すだけでこのくらい"良さ"のポイントがありました。ストーリー自体も、ずっと何か重大なことが起きそうなワクワク感が継続してて、なのに全然展開の予想がつかなくてすごかった。わざわざ映画館に観に行ってよかったと心底思える映画でした。

ラストもふわっと終わるのかと思ったら、観客に想像の余地を残させない閉じた終わり方で、リアリティがある分救われなかった。監督の思想なんですかね?主人公一家がかわいそうすぎたので、ほのぼのスピンオフ作って〜!というオタクの発想をしてしまう。

 

あと、この映画に影響を与えた系譜にも興味がわいた。調べると度々話題に上がっている『下女(ハウスメイド)』も観たいと思ってます。

ここまでネタバレしといてアレだけど、まだ観たことない人が万が一いたらマジで観てほしいです。

では。

アーティゾン開館記念展『見えてくる光景』感想+@

どうも、こんにちは。

いきなりですが最近別界隈に推しが増えまして。まだ名前を出さなくてもいいかな〜という感じなのですが(Twitterでは思いっきり言っちゃってますけど)、Webメディア等でライターをやってる方なのでめちゃくちゃ文章が面白くて。しかもインターネット・オタクで、私とも環境としてはあまり遠くないところにいるはずなのに、物事に対する認識の仕方とかとらえ方とかも全然違ってて(それはみんなそうだろうけど)、そんなところにアンテナ張ってなくない!?って思うような日常のことまで脱構築的というかユニークな考え方をしてて。

自分もちゃんと考えてアウトプットしないとどんどん発想とか思考回路が凝り固まっちゃうよな……と思ってこうして文字を打っている次第です。

そもそもなんで最近ブログ書いてなかったかというと、一つは授業で常にレポート書いたりレジュメ作ったりしてるので、それでアウトプット欲が満たされてしまうところがあったから。

もう一つは、舞台界隈ってあんまり文章にしない文化なのかなという感触があって。いやもちろん書いてる人が一定数いることも知ってるけど、そういう人たちって大体  ・歴が長くて  ・社会人で  ・いろんな意味で落ち着いてる 人たちじゃない?堂々とオープンアカウントでつぶやけるタイプの人。

私は鍵垢で活動する類のオタクだったので、なんとなくここでも推しの名前を出しづらかったし、そうすると推しバレに繋がるから作品感想も書けないし……となる。なんとなく暗黙の了解として推しの名前を出したくない。他人を信用できないので……。あと普通にファンレをガンガン出すタイプなのでそれでアウトプット欲が満たされてるというのもあった。

まあ2.5のオタクになってからはそんな感じでおりましたが、今回また初心に戻って(?)いろいろ感想書いてこうかなと思い。やっぱひとつのプラットフォームにアウトプットした感想をまとめておかないとなんかモヤモヤするのは確かなんだよな。消化不良というか。文字にすることで自分の見解を確定させてるところあるので……。

というかタイトルから「壁に向かって」って言ってるのに読んでる誰かを意識してることが傲慢ですよね。私はいま虚空に向かって話しています。

 

 

 

前置きが長くなりましたが!今回はこれの感想です!ドン!f:id:ellisamamiya:20200203020605j:image

はい。アーティゾン美術館の開館記念展、『見えてくる光景 コレクションの現在地』です!

いきなり美術展かよとお思いでしょうが、このブログは元々なんでも感想ブログとして作ったつもりだったので……最初の記事たしか映画の虐殺器官の感想だった気がするし……

 

すぐ言い訳する〜!進みたいと思います。

アーティゾン美術館は元ブリヂストン美術館が館名変更+建て替え+作品の追加購入(結構多い)した美術館で、今回初めて行った。なんと言ってもネットでの時間ごとの事前予約制というのがかなり良い。○時〜○時の間に入館って指定されてるやつ。オタクにはコラボカフェといえば伝わりやすいでしょうか。ただ入れ替え制ではないので、入っちゃえばずっと見てられる。日曜なのに混んでなかったし、全部の博物館で実施してほしい(特に上野付近の常に混み混みミュージアム群……)。

そんでなんと学生無料!大学生も無料。値上げ値上げのこのご時世なのにヤバすぎる。

一階のロビーから入って、予約メールのQRコードをかざしてセキュリティチェックを受けて、6階から4階が展示室。フロアを下がっていく順路になっている。

そんでまたすごかったのが、自分のスマホで公式アプリ(無料)をダウンロードすれば音声ガイドが聞けてしまうという神システム。しかも来館者用のWiFiも飛んでて至れり尽くせり。トイレも綺麗だし、1円も払ってないのにいいのか……?という感情しかない。創立者の方のご意向らしいです。

追記・音声ガイドのナレーターは細谷佳正さんでした。ヤバ。

www.artizon.museum

また国内の館にしては珍しく写真撮影もOKだった。すごいねえ。(ダメなものもあるらしいです!あと確かフラッシュはダメです。)

 

今回展示されてたのは19世紀以降の作品がほとんどだった気が。近代絵画のビッグネームが国内外問わず揃っててすごかった。

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展示リスト見てもらえればわかると思うけど、印象派あたりの画家の作品大体ある。すごい。日本人画家の作品もちゃんとあったのがよかった。

 

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藤田嗣治の『横たわる女と猫』めっちゃよくないですか?全体的にトーン抑えてるのに、ちゃんと背景の白とドレスの白と肌の白とシーツの白が違うの、すごい。油彩なのにこんな主線細いのどうやってやるんや。ペンで描いたようにしか見えん。絵がうまい人の絵はうまいな〜

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ネコチャンもかわいい。

 

 

 

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かと思えば古代ローマの壺(アンフォラ)があったり。紀元前520-510年ごろてすごいな。中心に描かれてるのはケルベロスらしいんですけど、頭が2つしかない。

 

 

 

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ドニ!『バッカス祭』!ドニの使うピンクっぽい薄紫めちゃくちゃかわいいんだよな。てか全部の色がかわいい。舐めたら甘そうな色。主線の茶色とかキャラメルみたいな色しとるやん。ナビ派詳しくないけどファンタジックでかなり好き。

 

 

 

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アングル『若い女の頭部』。アングル作品が国内にあるの知らなかった。誰かwiki編集してあげて。

ja.wikipedia.org

ちなみに私は去年、かの『グランド・オダリスク』をルーヴルで見てきたのですが、展示位置がメッチャ高くて細かいところなんも見えなかった。

 

 

 

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柄澤齊古生代の夢』より、海百合花と甲冑魚。めちゃくちゃグッときません?これ実物はサイズが結構小さくて、木版らしいんだけど線がめちゃ細かくて職人技を感じた。シリーズの他の作品も並んでて、"良"だった。

 

 

 

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ゴッホを観ては「モンマルトル……また行きたいな……」になり、シャルル・メリヨンのエッチングを観ては「ノートルダム……また行きたいな……」になり。写真撮ってないけどポン・ヌフの絵もあって、これが……郷愁……?(違います) 

やっぱ舞台になった場所を知ってると知ってないとでは感動がかなり違うので、今度は南仏に行きたいですね。

 

 

 

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青木繁!『わだつみのいろこの宮』。青木作品がたくさんあって勉強になったし眼福にもなった。英題がParadise under the Seaなの、大いにイメージを損なっている気がする……。難しいよね。

山幸彦の話を題材にした絵はもう一枚あって(小杉未醒の作品)、観てたとき近くにいた人が「ヤマユキヒコって何?」とか言っててマジかよ……になった。いうて私も詳しくは知らなかったのでアレですけど。

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この豊玉媛の顔のキレイさ。かわいい。令和でも全然通用する。

油彩画観てると、シェーディングとハイライトを顔のどこに入れればいいかよくわかる。美人画がうまい画家って多分コントゥアリングメイクさせてもうまいと思うんだよな。

 

 

 

こんな感じで!紹介しなかったけど抽象絵画も結構多くありました。近代以降が一気に観れてお得!予約システムのおかげで混んでないしみんなアーティゾン美術館に行こう!

 

おまけ

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藤島武二の自画像、若い頃の鶴見中尉に似てませんか?イケメン。

2019年総括

こんにちは。もう2020年ですね……。なんと2019年はエントリひとつしか書いてないらしくてびっくりしてます。葵咲本紀について書こうとしたんですけど忙しくしてるうちにタイミングを逃しました。

そして歌合も始まりましたね!長野初日に行ったんですけど、茅野さんミュ審神者に口止めされてしまったのでまだ書かないでおこ!になりました。埼玉公演が終わったらさすがに配慮いらんと思うので書きます。

 

今年のエントリがみほとせ再演だけなのは避けたいので(なってしまった)、2019年のオタク活動振り返りエントリを書いていきたいと思います。見出しのとこは主な出来事。

 

 

1月    刀ミュメンバー紅白&CDTV出演  みほとせ再演東京公演  エーステ秋冬初日

はい。厳密には紅白とCDTVは12/31〜だけど。やっぱり紅白出てからミュキャスのTV露出格段に増えた気がする。

 

まあCDTVはリアタイできなかったんですけどね……(タイムテーブルが2時間以上押していたので仮眠をとったらすぐに出演したらしい)

みほとせに関しては、初演が初めて観た舞台作品だったのでめちゃくちゃ思い入れがあって、再演という形でまた観れたのは良かったですね。Stay with meが……超絶好き!歌合でも当然歌われててサイコーになりました。

エーステは好きな俳優さんが出演されたので観に行ったんですけど、初日いきなり通路席だったので沸きました。刀ミュ育ちの2.5おたくなので客降りでキャストに触っていいって知らなくて、ハイタを避けてしまうという、、、もったいないことをした。ごめん東さん。

 

2月   エーステ秋冬   

2月はバーイベもあり、推しの現場ばかりでしたね、、エーステも推しの誕生日に公演入ったんですけど大雪の日で、電車はギリ動いてたけど臨時ダイヤだった。もっとヤバかったのがソワレ終わった後青年館の外出たら大吹雪で、向かい風の中、神宮外苑の人っ子一人いない真っ暗な道を歩いて信濃町駅まで向かったの普通に死ぬかと思った。

そんで、ゲームのA3を始めたのも確かこの頃。左京さん狂いになりました。インテリヤクザに抗えないオタクですが、文字通りのヤクザを推したのは初です。

 

3月   某映画舞台挨拶   みほとせ再演東京凱旋  

舞台挨拶の2日後にフランスに行って、10日後に帰国して即翌日からみほとせでした。ハードすぎでは? 本当は凱旋でもっと入りたかったけど渡仏の予定とドン被りで3回くらいしか入れなかった。エーステの凱旋は諦めた。

 

4月  某映画舞台挨拶

この舞台挨拶が平成最後の日にあって、しかも結構遅くまで映画が上映されてたせいで、令和になった瞬間を電車の中で迎えました。なんかエモかった。

 

5月  エーステ春組単独

めちゃくちゃ良かった!!!!令和初日に観ることができたんですけど、「新しい季節に今 名前をつけるなら君がいい」はあまりにマッチしすぎててめちゃくちゃ鳥肌立ったしサイコーの観劇体験でした。青年アリスを書いた皆木綴さんは天才だと思う。春組箱推しなんだわ……一生萌え語りできる。やめます。

 

6月   魍魎の匣

めちゃくちゃ、良……。薄暗い感じと演出が好みすぎて久々にチケを増やした。推しの役柄もめちゃくちゃに良すぎてキャスティングした人天才だった。初日に最前で入ってしまったせいで京極先生を拝見できなかったのが心残り……

 

7月  何してたのか不明

Twitter遡ってみたらなんか忙しくて死んでた。変わらず刀とA3のオタクをやりつつ、ご招待で銀牙のステ観たりしてた。

 

8月  乱歩奇譚  葵咲本紀

乱歩奇譚に通い、クラブeXの椅子に尻を殺されたりしていた。アングラ感が怖いんだよなあのシリーズ……

葵咲本紀は確か通路近くで、蜻蛉切が来たような気が。客降りで蜻蛉切近くに来がち。

 

9月  まさかのノー現場

クソな巡り合わせでTinderにハマるなどした。ディズニーでダルメシアンのカチューシャつける男は信用できない。何?

 

10月  推しのメジャーデビュー関連のイベ、ライブ    葵咲本紀    ヒプマイとの邂逅

推しという縋る対象がはっきりしたおかげでTinderから足を洗う。これまでの流れで推しバレ不可避だと思いますが、真面目にめちゃくちゃいい推しです。

葵咲本紀は良かったよな〜!やっぱエントリ書いとけばよかった!下書きはあるから円盤出た頃に清書しようかな、、、

あとYouTubeのオススメにいきなり出てきた『あゝオオサカdreamin' night』を初めて聴いたのもこの頃。ヒプのことは大体知ってたけど、この曲が頭から離れなくなったせいで他の曲も聴き始めることに。

 

11月  ヒプにハマる   歌合乱舞狂乱の長野公演

ヒプにハマってしまった。世界観がアレとの専らの評判だったのでハマりたくなかったのにダメだった。これまでボカロはもちろん東方アレンジとかサンホラにもがっつりハマって、現ミュージカルのおたくをしている人間なので、当たり前に歌モノコンテンツに弱い。ハマるとしたら絶対神宮寺寂雷だろうな〜と思っていたらまさかの入間銃兎だった。まあわかる。インテリヤクザ属性で過去が薄暗くて、そしてラップがうまい。好きだ……。

また、歌合の幕が開ける。長野、地味に初の遠征。『勝ちに行くぜベイベー』がここで初聴きだったんですけど、指ハートする推しがスクリーンに抜かれて気が狂った。今も日常のふとした時に「ラブ&ピースで……」がフラッシュバックしてア"ア"〜?!ってなる。完全に薬物。内容に関してはまた今度。

 

12月   ヒプステ   オモコロのライトオタになる

ヒプの波に抗えなかったのでライビュだけ観た。ストーリーは極薄でしたがラップがかっこいいので全てOK🙆🏼‍♀️になった。Gimme The Micかっこよすぎません?全てのパートが好き。一曲の好きポイント語りだけで1エントリ書けるわ。

そして2.5の入間銃兎も良すぎて代々木公園になった。キャスティングの人に大感謝。水江氏の顔とスタイルかなり好きなので細かく好きポイントを列挙したいんですけど、怒られが怖いのでやめます。

基本二次元と2.5次元は同一の存在じゃないと割り切ってオタクやってるので、曲とかラジオ聴いて入間の泥臭いところとかを発見するたびに「この男が本当にあの顔でいいのか……?」ってなる。ヒプに関してはまだ自分の中で2と2.5をどう接続させるか回路が確立していないから混乱しがち。

オモコロには将来への不安と冬季鬱とPMSとその他もろもろが重なり死にがちだった10月以降何度も救われ、ライトオタクになっております。無料コンテンツだからピンチケに優しいし、バカになれるのでうつ病患者に優しい。あくまでライトなのでめちゃくちゃいい距離感でオタクできている気がしてます。

 

 

 

こんな感じの2019でした。年末のイベの空き時間に書き始めたので頭の方が年末時空なのは勘弁してください。台湾行ってたら年明けてました。

もう歌合の埼玉公演が明日ですが、今年も楽しく適度にオタ活していきたいです!とりあえず山鳥毛をゲットしたい、現在やや進捗ヤバめ。進路も無事にどうにかなりますように……(死んだ目)

では。

刀ミュ〜三百年の子守唄〜2019 感想

 

お久しぶりです。

ブログ更新をモタモタしてたらいつの間にか大阪公演まで終わってしまっていた……。まあモタモタしてた理由はエーステって舞台を観てたからなんですけど。すっかりネ○ケプラン○ング舞台がないと生活できない身体になってしまってるの笑ってください。

 

それはともかくとして、恒例の気狂い感想、つらつらと書いていきたいと思います。ネタバレ注意。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・1部

あれだけ初演観てて展開も分かってるから泣かないっしょwって余裕ぶっこいてたら、なんか冒頭から謎に泣けてきちゃって自分でも混乱してた。これだけ思い入れのある作品をまた観られる喜びなのか?自分の身体が何もわからん。おかげで刀剣乱舞あたりの記憶が欠落している。

 

M1は変わらず「脱いで魅せまショウ」。初演よりローテンションな感じで、息も切れてなかったしアオ!もなかった。 が手のひらは舐めてた。

村正、顕現してから蜻蛉切が出てきたシーンまでずっと、真顔で睨め付けるような目しててヒリついていた。その後物吉と遭遇して絡むところで「冗談ですよ」の言い方もそれ冗談じゃねえだろって感じになってたし、審神者に召集されたときも膝つかずずっと立ってこちらを睨め付けてた。あの目つきは審神者の意図を図ってるというより敵と認識してる方が近いのではと思った、“こいつもどうせ俺のこと誤解してんだろ”的な。

出陣して時間を跳ぶところ、勝利の凱歌じゃなくて新曲だった。唐突なテクノ系ポップスにビビり倒す審神者。軽い音がめっちゃピコピコ鳴ってて90'sアイドルソングっぽく、完全にタイムパトロール歴史物で流れる音楽ではなかった。混乱した。

青江が全然変わってた!飄々としてるはしてるんだけど、方向性が変わったというか。初演の茶化したような感じが全くなくなってて、シンプルに人の心がない感じだった(悪口ではない)。子守するシーンで乳母車の手を離してシューってやるのもなかった、あれ好きだったんだけど改めて考えてみると確かに解釈違いかもしれない。初演に続いて荒木さん(注・青江の役者さんです)にキャラ解釈を教えられているの、原作厨失格では?すまん自本丸の青江……。

 

物吉くんが子守唄最初に歌うシーン、

まつり始まる前の静けさ

君はまだゆめの中

がエモすぎてほんとにグッときた。初演では分からなかったこのエモさ。

タイトルにある「子守唄」って狭くはここで歌われたものを指すよね。ここで物吉が竹千代に歌ってあげた子守唄が徳川三百年の世に繋がっていく。まだ幼い竹千代は「まつり始まる前」=徳川家康として天下統一に身を投じる前、まだ何も知らないいとけなさで物吉の腕で眠っている……。

「夕紅の刻」ってつまり、紅の血が流れた戦国時代のことで、その後の徳川の治世のことを「静寂」って歌ってるんだね……。

 

かざぐるまの

風は季節を巡らせる 春を目覚めさせ

夏を呼び秋に染まり 冬を連れてくる

の竹千代が成長していく演出、改めてマジで好きだな〜と思った。てか新しい信康の竹千代くん芝居が上手い。

石切丸が「自分は何をしているんだろう」って我に返ってしまったことを明示するのにスローモーションを使うのめちゃくちゃ好きだなと思う。からの大倶利伽羅の「こんなものか」にキレる流れ、完全に石切丸が余裕なくしたせいで八つ当たり的につっかかってるってことになるよね!?初演でもこの順番で因果関係が分かりやすくなってたっけか?

なんか今回の石切丸、ナチュラル無礼だし世間知らずだし自分の力を過信して一人で背負い込もうとしちゃうし時おり少年のような目をするし、貴族のご子息って感じした。

「可惜夜の雲」、マジで村正の悲痛な叫びという感じだった。前回はなんかショーっぽかったけど、今回の村正すごくペシミスティックで儚げで、ずっと沈痛とも取れる表情をしてる。

「ただ、勝つために」、今回は結構冷静だった。衝動のままに行ったという感じではなく、ロジカルな物吉くんの論破が伝播したようにどこか冷静な蜻蛉切がいた。勝ちを確信してるというか、本多忠勝が勝つという歴史の流れの正しさを確信してるというか。

てか今回はかざぐるまとか複数人で歌う曲で、蜻蛉切めちゃ抑えてた気がする。もうちょっと聴きたかった。   

物吉くん、戦でどちらが勝つか必ず当てるの、凄腕シャーマンみたいになってないのかなと思った。あんなド美少年でしかも未来予知ができるのヤバくないか?家康って衆道しなかったんだっけ、大丈夫かな、何とは言わないけど……。それとも外見変えてむさ苦しいおじさんになってたりするのか?

5人で無意味に並ぶとこ、石切丸からしたらイライラ以外の何物でもないだろうなって辛くなってた。自分はこれから大好きな人を殺さないといけないのに何でこいつらは遊んでんねんってなるよね……   てか村正もあんなタイミングで物吉にデレることないし、蜻蛉切も村正にフォロー入れることなくない?いや今は石切丸のフォローに回れや。となった。今回の蜻蛉切、言葉が足りないところとか変にウジウジしてるところとか、“ダメなタイプの攻め”っぽくない?(コラ)

石切丸闇堕ちのところ、冷静になって考えるとなんも説明がないんだよな。闇堕ちするとどうなるの?危険な力ってなに?ぶん投げて何となく想像してね〜で本当にええんか!?刀ミュくんの脚本はもっとロジカルだろ!?となる。私はつはゆめの脚本ガチ恋なので……(?)

「どんな理由があろうとも殺してもいい人がいると思えないよ。」って10分前に言ってた石切丸が「ここで折れても貴様を倒す」なんて言っちゃうことがもう既に自我を失いかけてるってこと?貴様って言うのも違和感あるし。

ああなってしまった直接の原因としては信康が自分を庇って死んだことへのショックだよね?人の心に寄り添ってしまいがちな石切丸は長期任務に不向きということがよ~くわかりましたね……。

任務の序盤から自分が信康を殺すんだって覚悟を決めてたはずなのにどんどん感情移入してしまい、それに伴ってどんどん余裕を失っていく石切丸さん。彼を現実に即して助けてあげる(=代わりに信康を殺してあげる)人はチームの刀剣男士の中にも誰もいなかったわけで、結局彼を救ったのは(そしてその分絶望させたのは)信康が死ぬ間際に言った「半蔵、無理をするでないぞ」の一言なんだろうね。

まあ他の刀剣男士の名誉のために言っちゃうと半蔵以外が殺したらダメなんだから、石切丸さんが背伸びして半蔵選ばなければよかったんじゃんね。「私は……そうだな、服部半蔵として生きることにしよう!」じゃないよノリで自分が生きる役を決めるな。

信康さん、自分が死にかけているのに部下の心を慮れるすばらしい上官だし、家康も初演よりずっと人徳があることが表現されてた。 だからこそ信康が家督を継がないって言った時に家康が殴ったのびっくりする。 自分もやりたくなくてやってるのにお前だけ逃げるなんて許さないっていう発想だとすると結局、信康と家康って、家に縛られて宿命と言う名の義務から逃れられない男たちなんすよね。

吾兵もそうだしね……吾=われ、プラス兵だから、読み下すと「われ兵なり」となる。でもこれは彼の決意を表す名。決意があったからといって適性があった訳ではない。彼は守れなかった妹への贖罪のために兵士になることを選んだわけで、死ぬことを恐れ、文字を教えてほしいと言っていた彼が兵士に向いていたとはとても思えない。まあかといって農民に向いているという訳でもないんだろうなとも思う。たまたま農民に生まれたから土にまみれていたけど、時代が違ったら文民になっていたのかな、とか。   

 

まとめると、

人間たちは「生まれ」から逃れようと足掻いて後天的なアイデンティティ(=「育ち」)を獲得しようとし、

刀剣男士は刀の中の一本としてのアイデンティティ(御神刀、妖刀など)=「育ち」と、人を斬るものであるという「生まれ」とのギャップによって苦しんでいる。

 

ここが対。で?と言われるとそれまでなんですけど……。すぐ分析したくなっちゃう。

 

 

かざぐるまの、

風の吹く方角を見極めればこそ

永久に回り続けるかざぐるま

ってシニカルに感じるくらい現実的で、この6振りっぽい詞だな〜と思う。逆説的に言うと、風の吹く方角を見極めないとかざぐるまはすぐに止まってしまうわけで。このかざぐるまって徳川幕府のことなんだろうね。

むすはじでも風が効果的に使われてたよね、北海道に渡るとことか、兼さんが土方さんと対峙するとことか……。刀ミュシリーズにおける風の表現、今度考えてみたい。

 

最後にウィッグについて。いや今回も最高でした。刀ミュのヘアメイクが大好き。

倶利伽羅のウィッグの進歩最高だな!?あの柔らかさ絶対猫っ毛じゃん、ウィッグで髪質がわかるの天才としか言えん。原作へのリスペクトがすごい。逆に物吉くんはツンツンになってて硬そうというか、フィギュアの髪の造形だったな……。

あと村正の房のボリュームが減っててちょっと悲しかった。まあ重そうだもんなあれ。

青江は今までなかった横髪の束が増えてた!どんどん原作に忠実になってゆく……。

 

 

 

 

・2部

 

 

M1  全員の曲。もはや何もおぼえていない。

 


M2   引き続き全員。裏拍のちょ~~かっこいい曲!!めちゃ好み!みんな裏拍でペンラ振ろうよ……なんで表でリズム打っちゃうの??

ジャジーな曲で100%椅子を出してくる刀ミュくん、ちょっと未だによく分からん。青江がかっこいいことだけ分かった。

サビ1番に「解ってよこの心を」(大倶利伽羅パート?)、2番に「しっかり 見つめてよこの瞳を」(青江パート)だった気が……。「この瞳を」で自分の目を指差す青江が頭から離れない。にっかり青江結婚してくれ〜〜〜〜

 


MC  

物吉「あるじさま〜〜!!!わ〜〜!!!」←セリフがとんだらしい。こちらも わ〜〜!だった。

石切丸「言伝を預かってきたよ〜」→堀川からの言伝が扇子に書いてある    

物吉?「兼さん観察日記ですね(苦笑)」

 

 

M3  青江と石切丸のデュエット!爽やかで嵐みたいな感じの曲。ダンス激しめで非常によかった。サビではどっちかが歌ってどっちかがwow~ってフェイクいれるのを交互にしてた

 


M4  大倶利伽羅と物吉のデュエット、邦ロックっぽかった、バンプというかラッドというか。風の向こうへ?風の先へ?みたいな……

 

 

M5   村正派デュエット    歌唱力勝負のおしゃれなやつ……音楽ジャンルがわからん……クリスタルケイとかそんな感じ……おしゃれで激しくて歌が上手い。

 


M6   客降り   物吉と蜻蛉切がきたんだけど、物吉頭の後ろにバレッタしててびっくりした。あと衣装がキラッキラ。かつぴっちりしてて肉体のラインが晒されていた。

蜻蛉切は気持ちよさそうに歌ってるのがこっちまで気持ちよくなる、歌ってる時は少年みたいな顔になるのがいいよな……

 


M7   新曲!歓喜の華じゃなかった!所々に台詞があるかっこいい曲、大サビ蜻蛉切の「何として生きようか!」みたいなセリフが超かっこよかった、グッときた。あとBメロあたりに和歌があった気が。

間奏のパフォーマンスは金の長方形の布。投げてキャッチするところ村正だけ落としちゃったんだけど全くあわてず拾ってて大物感あった。ツイッター見ると成功率低いみたいで、それはそう。となった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こんな感じでみほとせ再演でした。

銀劇で刀ミュ観るの新鮮だった!舞台狭いから色々工夫してるんだろうなという感じだった。

東京凱旋でまたTDC行くの楽しみ!

では。

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