壁に向かって話し続ける

オタク女の備忘録

日野に和泉守兼定を観に行った話

 

高幡不動の駅で兼さんが待っててくれた。いや何を言ってるか分からないと思うがわたしもどう説明すればよいのか分からない。

土方歳三資料館の最寄り、万願寺は多摩都市モノレールの駅で、京王線で行こうとすると高幡不動で乗り換えになる。わたしは過去、多摩都市モノレールは一度だけ使ったことがあるのだが、鬱を発症してめちゃくちゃ辛かった時期だったので正直再び使うのが怖かった。

そしたらだ。乗り換えのために改札を出た瞬間ふわっと生温いものに包まれた気がして、「あ〜これ兼さんだわ 迎えに来てくれたんだ」とクソ夢女のわたしは一瞬で理解した(こう書くと夢女というより電波だな……)。

 

兼さんに付き添われ(?)心配してたのとは別の意味で怖かった(ヒント・高所恐怖症)モノレールを降りて無事に土方歳三資料館まで辿り着く。展示室が一室しかない小さな資料館だったが、GWだったこともあり老若男女様々な人が絶え間なく訪れていた。

まず気になったのは土方さんの発句集。

「白牡丹月夜月夜に染てほし」え、結構よくない?思ってたより下手じゃなかった……ごめん土方さん。

そして和泉守兼定。槍はあったけど刀はこれ一振りのみ。

茎はうぶ、入山形、目釘穴一つ。鋩子は返り浅く先尖る。刃文は互の目乱れで、大きさの違う互の目が規則正しく繰り返されていた。資料館前の看板によると地鉄は柾目らしい。全然見えなかった。

刀身の中程、鎬地に小さい疵(恐らく刀疵)あり。沸は見えず。

拵え
目貫は山椒ということだったがどういう図案なのかよく分からず。鞘は会津塗、鳳凰と牡丹が表には二つずつ描かれている。 鐺がハートのようになっていて、兼さんのインナーの隙間(俗に言う兼定の窓)を彷彿とさせる。

鞘先の方に特に刀疵が多く、柄は鮫皮?で白。鍔は七夕図と説明があったがこれもよく分からず。短冊かな?
長さ二尺三寸一分六厘(70.3cm)
表銘 和泉守兼定    裏銘 慶応三年二月日

 

ザ・日本刀って感じのど直球な刀だった。柄巻が擦り切れていて使い込まれていたんだと一目で分かる。明らかに人を斬った刀なのにそんな気配は微塵もなく、むしろ清く感じる。刀はなにも語らないからこちらが能動的に動かないと彼らのこと何も知らないままで終わっちゃうんだな……

 

次の刀剣訪問はむっちゃんになるかな?それでは。